寝具の衣替え

いよいよ10月に入り、昼間はまだ暑さが残るものの、

朝晩は少しひんやり感じる日も増えてきます。

季節の変わり目は、寝具の衣替えを考えるベストタイミングです。

夏の間はタオルケットや薄手のダウンケットで十分だった方も、

9月に入ると肌寒さを感じて目が覚めてしまうことがあります。

そんなときにおすすめなのが「合掛け布団」。

タオルケットほど軽すぎず、本掛け布団ほど重すぎない、

ちょうどいいボリュームで快適に眠れます。

布団の切り替えの目安

  • 最低気温が20℃を下回る頃 → 合掛けふとんへチェンジ

  • 最低気温が15℃前後になる頃 → 本掛け羽毛ふとんの出番

地域や体質によって感じ方は違いますが、

朝晩の冷え込みを感じ始めたら早めの切り替えがおすすめです。

寝具を季節に合わせて使い分けることで、寝苦しさや寒さによる目覚めを防ぎ、

睡眠の質もぐんと上がります。

「ちょっと早いかな?」と思う時期に合掛けふとんを取り入れるのが 快眠へのコツです。

この秋は、ぜひ布団の衣替えを取り入れて、心地よい眠りをお楽しみください ♪

pH値試験

羽毛の「pH値試験」とは?

pH試験

pH値とは、水溶液が酸性かアルカリ性かを示す数値のことです。

羽毛を洗浄した後、この数値を測定することで「中性に近い、適切な状態かどうか」を確認します。

⚠️ 偏っているとどうなるのか?

もし洗浄の際に使った洗剤や薬剤が十分に取り除かれていないと、

羽毛がアルカリ性や酸性に偏ってしまうことがあります。

  • アルカリ性に偏ると → 羽毛の劣化が早まる原因に

  • 酸性に偏ると → 肌への刺激や、においの原因になることも

どちらにしても、快適に使える羽毛製品とは言えません。

✅ 適正範囲にあることが大事

pH値試験は「羽毛がきちんと中性に近い状態に戻っているか」を確かめる大切な検査です。

数値が適正範囲内であることが確認できれば、羽毛は清潔で肌にもやさしく、

安心して使える製品に仕上がります。

羽毛ふとんのサステナビリティとSDGs

羽毛のリサイクルとサステナビリティ

ブルーアースダウン プロジェクト

 

近年、「サステナブル」という言葉を耳にする機会が増えました。

環境にやさしい素材や製品づくりが求められるなかで、

実は羽毛はとても優れたエコ素材だということをご存じでしょうか?

 ♻️ 羽毛はリサイクルできる天然素材

羽毛は水鳥の副産物として得られる自然素材です。

使い終わった布団やダウンジャケットの羽毛は、

再度洗浄・精製することで新品同様に再利用できるのが大きな特長です。

石油由来の合成素材と違い、何度も循環させながら長く使えるため、

資源を無駄にしないサステナブルな素材といえます。

環境にやさしい循環型の取り組み

ヨーロッパでは「リサイクルダウン」がすでに一般的で、日本でも少しずつ広がっています。

羽毛を再利用することで廃棄物を減らし、CO₂排出の抑制にもつながります。

また、羽毛自体が長持ちするため、買い替えの頻度を減らせるのも環境への貢献になります。

安心・快適さもそのままに

「リサイクル」と聞くと「品質が落ちるのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、

きちんと洗浄・除塵・選別を行えば、

新毛と変わらない清潔さとふんわり感を保つことができます。

むしろ、十分に使い込まれた羽毛は油分がほどよく抜けているため、

軽くて扱いやすいという利点もあります。

羽毛は「天然素材」「長寿命」「再利用可能」という三拍子そろった、

地球にやさしいサステナブル素材です。

私たちも、羽毛製品をお届けするだけでなく、その後のリサイクルにも目を向け、

持続可能な未来づくりに取り組んでいます。

羽毛ふとん=冬?

「羽毛布団 = 冬」

そう思う方も多いかもしれません。

実は!羽毛布団には季節に合わせた種類があり、夏でも快適に使えるタイプがあります。

夏場に活躍するのが「ダウンケット(肌掛け布団)」と呼ばれる薄手の羽毛布団です。

通常の羽毛布団よりも中の羽毛量を少なく仕立てているため、

ふんわり軽くて通気性がよく、蒸し暑い夜でも快適に眠れます。

タオルケットよりも保温性があり、冷房をつけたまま寝るときにも冷えすぎを防いでくれるので、

実は夏の寝具にぴったりです。

真夏はエアコンを使う方が多いと思いますが、

ダウンケットは冷房の冷気から体をやさしく守りつつ ムレにくいので、

冷えすぎて途中で目が覚めることもありません。

寝冷えを防ぎながら快適に眠れるのは、羽毛ならではの魅力です。

羽毛布団=冬だけ、と思っていた方は、ぜひ一度ダウンケットを試してみてください ♪

酸素計数

羽毛製品と聞くと、「ふんわり」「あたたかい」といったイメージを

思い浮かべる方が多いと思います。

しかし、実際に快適に使える羽毛製品をつくるためには、

見た目や触り心地だけでなく、羽毛そのものの清潔さがとても重要になります。

そこで用いられているのが、「酸素計数」 です。

 

酸素計数とは?

 

羽毛に残留している有機物の量を測定し、洗浄の度合いを客観的に示す数値です。

羽毛がどの程度清潔に洗浄されているかを評価するために、

「酸素計数」という指標が用いられます。

この数値は 低いほど、羽毛に付着している不純物が少なく、清潔 であることを意味します。

羽毛製品にとって、この「酸素計数」の試験は欠かせないもので、

「見えない部分だからこそ、きちんと数値で証明する」

そんな思いで、日々品質管理に取り組んでいます。

酸素計数試験

睡眠に関する書籍のご紹介

今回は、CILが所蔵している書籍を何冊かご紹介します ^^!

 

1. 睡眠環境研究を志す人のための解説書 睡眠基礎編Ⅰ

まずは睡眠を知るところから。

 

2. 睡眠のしくみ

睡眠の原理から 快眠のコツまでをわかりやすく解説。

 

3. 睡眠学概論

睡眠科学、睡眠医学、睡眠社会学 の3つの領域を合わせた「睡眠学」と呼ばれる       新しい学問体系。大学教育のための睡眠に関する初めての教科書の第2版。

 

4. 睡眠改善学 基礎講座

国民の5人に1人は睡眠障害に悩んでいる日本の睡眠教育養成講座。

 

5. 眠りを変えれば仕事はうまくいく  – 成功する人の睡眠マネジメント術 –

世界的な眠り博士の 戦略的睡眠法!

 

ひとまず 入門編から、読みやすいビジネス本 5冊を挙げてみました!

CILには、睡眠に関する専門書や睡眠の悩みに関する書籍がまだまだ揃っています ♪

 

 

 

ほこり発生試験

今回は 「ほこり発生試験」 についてご紹介します。

 

以前、羽毛ふとんのほこり についてお話したとおり、

羽毛製品からの ほこり は、健康への影響が懸念されるため

「ほこりの発生試験」は、CILラベル発行にあたり 必要な試験項目の 1つです。

 

「ほこりの発生試験」

1:試験試料

出来上がり寸法 15×15cm 2個
生地JIS L0803添付白布(ポリエステル)

縫い方:1cmの縫い代で地縫い返し、コバステッチにする。             開口部を5cm開けておく。
開口部から羽毛を充填後、開口部を0.2cm幅の二条縫いで閉じる。
針数15針/3cm
充填量 10.0g/個

2:測定装置

光散乱方式デジタル粉じん計
透明アクリル製シリンダー(内径29cm高さ50cm)
錘(1kg)直径8.5cm

3:操作

試料を調整室(約20°C、65%)に入れ、12時間以上放置する。
シリンダーにミニふとんを入れる。                        その上部30cmの位置より、1kgの錘を落下させほこりを発生させる。
粉じん測定器は落下5秒前にスイッチをONにして、測定時間1分の値を読み取る。

 

羽毛ふとんを 安心・安全にご使用いただくことも いい睡眠につながります。

ぜひ 試験のご依頼お待ちしております。

 

 

2025

2025年は 巳年。

なんと 60年に1度の「乙巳(きのとみ)」にあたる特別な年だそうです。

「乙」と「巳」の組み合わせは、これまでの努力や準備が実を結び始める時期だとか。。

前向きに 貴重な 1年を送れますように!

 

さてさて、 仕事始めの 1月6日は

CIL皆で大宝八幡宮へ行き ご祈祷していただきました。

他にもたくさんの会社の方々が来られていて

新年のはじまりを実感しつつ、皆頑張っているんだな~としみじみ感じていました。

 

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今年もかわらず CILメンバーも皆さまも幸せな日々を過ごせますように!

 

恒温恒湿室の校正

毎月行っている恒温恒湿室の校正作業、

今月も無事に終え 異常がないことを確認しました。

過去1年間の平均と比較しても、温度湿度ともに差がなく

恒温恒湿室の精度が高いことが分かります。

 

CILで行っている様々な試験において 恒温恒湿室は必要不可欠なため

毎月校正を行い現状を把握しておくことで、試験結果の信頼度へも繋がります。

 

■ 校正の様子

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■ 校正結果

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自律神経活動の測定 萬代宰(理事)

 

前回、生物の状態をコントロールする自律神経についてザックリとご説明しました。       今回はこの自律神経の活動を推定する方法についてお話します。                前回ご説明したように自動車で言えばアクセルとブレーキに対応するように交感神経と副交感神経によってあらゆる生体器官が制御されていますので、様々な生体情報からある程度この自律神経の活動が推定できます。自動車で言えば加速している時はアクセルが踏まれているのだとか、減速している時はブレーキがかかっているのだとかが分かるのと同じです。生体では体温や血圧の変動そしてホルモンの分泌など、おおよそ自律神経の働きによって発現する生体反応に基づいて、そのもとになる自律神経系の活動を推定することが可能です。その定量的推定法の一例が、非侵襲的かつ客観的な心電図R‐R間隔変動に着目するものです。心拍は一見規則的に見えますが呼吸、血圧調節、体温調節などの影響を受けて常時揺らいでいます。 この変動を心拍変動(Heart rate variability: HRV)と呼んでいます。

この心拍の発生起源である洞結節は延髄の迷走神経背側核や疑核からの心臓迷走神経により抑制的支配を受ける一方で、脊隋交感神経節からの節後線維によって促進的支配を受けています。 そして、心拍数は吸気期には増加し、呼気期には減少します。たとえば、糖尿病性自律神経障害患者では副交感神経すなわち迷走神経が障害されることにより、その変動が小さくなるとの報告もあります。このように心拍変動の減少は疾病やストレスに対するき弱性を反映する一方で、その増大は以下に見るように発達あるいはストレスや病的状態からの回復ならびにリラクゼーションに関連します。

この心拍変動を定量化する方法で簡易なものは心電図RR間隔変動係数((coefficient of variation of R‐R intervals:CV)と呼ばれるものです。それは一般に心電図上の頂点であるRと次のR波との間隔を100個記録して平均値(m)を求め、その標準偏差(σ)との割合が、以下の式で算出されます。図1

rr%e9%96%93%e9%9a%94                                                                                                                          図1. 心電図R-R間隔

 

CV(%)= m/σ ×100

この値は加齢によって減少する傾向が報告されています。                                                                              また、臥位から上半身45度に起こすと6.6%から4.0%に減少するとの報告もあります。

 

次に定量化の方法としてよく用いられるのが、このR-R間隔変動の周波数分析です。このR-R間隔を時系列に並べると、その変動は波型に推移します。図2

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図2. R-R間隔の時系列(タコグラム)

 

一般的に複雑に見える波形の変化はいくつかの基本的な正弦波の組み合わせとして表現されて、またその基本波形への分解が可能です。つまりはその波を構成している主要な波が同定されます。図3

rr%e9%96%93%e9%9a%94%e3%81%ae%e3%82%b9%e3%83%9a%e3%82%af%e3%83%88%e3%83%ab%e8%a7%a3%e6%9e%90

図3. R-R間隔のスペクトル解析

 

心拍R-R間隔のスペクトル解析を行うと0.1Hz付近を中心とする低周波成分(LF)と0.25Hz付近を中心とする高周波成分(HF)の要素が抽出されますが、その成分の大きさは生体の置かれた状況によって、つまり生体のストレス状態の依って大きく変化します。

例えば、ヒトにおいては横になると(臥位)HFの成分が増加し、立つと(立位)LFの成分が多くなります。 身体的だけでなく精神的ストレスがかかるとこのLF成分が相対的に増加します。 つまり、この二つの成分の比率によって交感神経あるいは副交感神経の優位性を推定することが出来ます。