過去に紹介したことのある 保温性 について、今回はさらに詳しくお知らせします。
★2017.6.9 保温性試験 ★2022.1.26 保温性測定
寝具の保温性について 1984年当時の通産省と業界団体、日本睡眠環境学会の産官学で
規格体系調査が全国規模で実施されました。
その中で消費者から 寝具の性能で最も要求が高かった項目が 「保温性」 でした。
そこで、ふとんの保温性を測定する方法を開発し JIS化 しています。(JIS L 1911)
保温性とは?
ふとんの 保温性 とは、別名「熱遮断能」といいます。
睡眠中も寝床内の温度(33℃前後)を維持する必要があり、
身体からの放熱を(ふとんの外へ逃げるのを)遮る性能を 保温性 といいます。
よく似た言葉に 熱伝導率 という言葉もあります。
表 の通り、数値が高いほど 熱伝導 が早いことを意味し、数値が低いほど遅くなります。
したがって、保温性 との関係は 逆相関(反比例)することになります。
最も 熱伝導率 が低いのは空気なので、空気層が多い ふとん の 保温性 が高いということです。
保温性の目安は?
よく 保温性の数値はどれだけあれば良いのか を聞かれます。
一般的に寝具での保温性目安を 表 に示します。
組み合わせによって調整可能ですので、
ご使用の環境に合わせて調整いただくことが良いです。
CIL では室温と保温性の関係を研究しており、その計算式を所有しています。
保温性の注意!
「保温性が何倍良い」と販促で謳われることがあります。
消費者は今までのふとんより暖かいと認識して購入されると思います。
このような表示をする場合、どのように測定したかの表示義務がありますが、
以前、「測定方法は JIS L 1096 で実施」との記載を目にしたことがあります。
JIS L 1096 とは、ミニふとんサンプルを使用する測定方法で、
ふとんの保温性を比較するのであれば、製品のまま測定を実施する必要があると考えます。
弊所では ふとんを製品の状態で測定可能です。
ぜひご利用お待ちしております。