ふとんの耐久性試験

耐久性試験ついて 以前ブログで紹介しました。

2022年 11月: 羽毛の耐久性  ★2021年 9月: 耐久性試験機

今回は もう少し詳しく紹介します。

 

【羽毛ふとん】

羽毛ふとんの耐久性は、

2000年頃 ふとんの耐久性調査委員会(日本睡眠環境学会)で開発された

「ふとんの耐久性試験機(当研究所所持)」で評価しようとしていました。

しかし、羽毛ふとんは掛け寝具のため、使用している状況を再現するにあたり

耐久性試験機の負荷のかけ方(たたく)では 再現にならない との議論があり、

結果 羽毛ふとんは該当しないことになりました。

そこで、現在 羽毛ふとんの耐久性は、吹き出し試験で評価しています。

吹き出し試験は、羽毛ふとんの羽毛が生地から突き出す状態を調べます。

ドラム式の乾燥機に JIS で規定されている ゴム管 を入れて、一定時間負荷をかけます。

評価は、負荷を掛け 羽毛が外に飛び出した量で評価する方法と、

当研究所オリジナルの 一定の負荷を掛けた前後のかさ高で評価する方法があります。

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【ウレタンなど】

当研究所では実施していませんが、

ウレタン(寝具に使用するのは  軟質発砲ウレタン と言います)の耐久性試験は

「繰返し圧縮残留ひずみ試験(JIS Z 6400-4)」で行います。

よく「8万回圧縮試験合格」などと言われるのはこの試験のことです。

ただし この試験は製品試験ではなく、材料(ウレタンフォーム)の試験であり、

ふとんに入っているウレタンの性能を示しています。

 

【敷ふとん・枕】

敷ふとん・枕の耐久性試験は、

先に紹介しました「ふとんの耐久性試験機」で試験が可能です。

「ふとんの耐久性試験機」は製品を試験できる試験機で、

試験の際は 試験片(20×20㎝)に裁断していただき 試験を実施します。

ウレタンだけで作られた敷ふとんにも対応しています。

ウレタンの試験方法と異なる点は、20㎏のおもりを落とすことです。

(ウレタンの場合、一定の力で押す)

また、枕の場合は 製品の形状により方法が異なりますので、ご相談ください。

 

「ふとんの耐久性試験」については、試験機と実用調査の結果を論文としてまとめ、

横浜国立大学から研究発表されています。