耐久性試験ついて 以前ブログで紹介しました。
★2022年 11月: 羽毛の耐久性 ★2021年 9月: 耐久性試験機
今回は もう少し詳しく紹介します。
【羽毛ふとん】
羽毛ふとんの耐久性は、
2000年頃 ふとんの耐久性調査委員会(日本睡眠環境学会)で開発された
「ふとんの耐久性試験機(当研究所所持)」で評価しようとしていました。
しかし、羽毛ふとんは掛け寝具のため、使用している状況を再現するにあたり
耐久性試験機の負荷のかけ方(たたく)では 再現にならない との議論があり、
結果 羽毛ふとんは該当しないことになりました。
そこで、現在 羽毛ふとんの耐久性は、吹き出し試験で評価しています。
吹き出し試験は、羽毛ふとんの羽毛が生地から突き出す状態を調べます。
ドラム式の乾燥機に JIS で規定されている ゴム管 を入れて、一定時間負荷をかけます。
評価は、負荷を掛け 羽毛が外に飛び出した量で評価する方法と、
当研究所オリジナルの 一定の負荷を掛けた前後のかさ高で評価する方法があります。
![cimg2941](http://blog.cil.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2022/11/CIMG2941-300x225.jpg)
![img_8816](http://blog.cil.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2022/11/IMG_8816-300x225.jpg)
【ウレタンなど】
当研究所では実施していませんが、
ウレタン(寝具に使用するのは 軟質発砲ウレタン と言います)の耐久性試験は
「繰返し圧縮残留ひずみ試験(JIS Z 6400-4)」で行います。
よく「8万回圧縮試験合格」などと言われるのはこの試験のことです。
ただし この試験は製品試験ではなく、材料(ウレタンフォーム)の試験であり、
ふとんに入っているウレタンの性能を示しています。
【敷ふとん・枕】
敷ふとん・枕の耐久性試験は、
先に紹介しました「ふとんの耐久性試験機」で試験が可能です。
「ふとんの耐久性試験機」は製品を試験できる試験機で、
試験の際は 試験片(20×20㎝)に裁断していただき 試験を実施します。
ウレタンだけで作られた敷ふとんにも対応しています。
ウレタンの試験方法と異なる点は、20㎏のおもりを落とすことです。
(ウレタンの場合、一定の力で押す)
また、枕の場合は 製品の形状により方法が異なりますので、ご相談ください。
「ふとんの耐久性試験」については、試験機と実用調査の結果を論文としてまとめ、
横浜国立大学から研究発表されています。